≪公演終了≫令和6年度【第四回あさきた神楽公演】鈴張神楽団
鈴張神楽団は、昭和26年に地元の有志によって結成されました。
結成当初より衣装や道具など全て地元の方々からの寄付によって支えられ、毎年秋に行われる
宮崎神社での秋祭りを中心に、地元に根づいた活動を行っています。
近年になり、新たな世代交代を向かえ、神楽奉納を通して神楽に息づく先人達の思いを
受け継ぎ、後世へと伝えていけるよう、団員一同精進したいと思います。
平安時代の中頃。西の京の都に天皇あるなれば、東の「新しき皇」たらんと立ち上がり、
時代に悪人と仕立てあげられ、時代の露と消えた平将門。
その後、「新皇」と同じ「九曜」を旗印に将門の娘、五月姫が立ち上ります。
「父の無念を晴らすべし。」
その一念に取りつかれた姫の瞳は、狂気を帯びはじめます。
貴船明神より授かった妖術を駆使し、その名を滝夜叉姫と改め、破壊と非道、
暴虐の限りを尽くしました。
朝廷は、これを鎮めるべく陰陽師、大宅中将光圀を大将とした征伐軍を差し向け、光圀主従は、
凶つ神の怪しき術の前に苦しみながらも、陰陽の霊術を以て、これを討ちとりました。
下総に 吹き来る嵐 止み沈み 静まり治まる 相馬城かな・・・
平安時代中期。清和源氏の嫡流である源頼光は、勅命を奉じ、郎党渡辺綱を連れ立って、
東国に山賊征伐の旅に出陣しました。
折しも越後上路山に差し掛かった頃、丁度日も西の山に傾き、夕闇に足を止められました。
宿りを求めるべく、辺りを探せば、山頂と思しき所に山家の明かりを見つけ、
一夜の宿を求めます。
山家より一人の老婆が現れ、丁重に招き入れられ、一夜の宿を得ました。
夜も更けた頃、老婆は、頼光主従を招いた部屋の様子を伺い、何者かを招き入れます・・・
「如何に怪童丸、怪童丸~」
斧を片手に現れたのは、老婆の一子にして怪童丸。
老婆こそ、上路山を根城とする山賊、山姥でありました。
寝込みを襲われた頼光主従でしたが、一瞬の機転で、打って出ました。
深夜の乱戦の形勢不利に一度は、わが子を見捨てた山姥ですが、わが子の危うきに
立ち戻ります。
頼光たちの武勇に尋常一様の者でないと察した山姥は、怪童丸をその家臣の末席に加えて
くれるように頼み、代わりに、その一命を差し出します。
しかし、頼光は、その命を助け、怪童丸を自らの郎党に加えました。
後の世に「頼光四天王」の一人と語られる「坂田金時」の誕生であります。