令和6年度【第三回あさきた神楽公演】綾西神楽團

綾西神楽團は、1981年(昭和56年)12月、広島市安佐北区可部町綾ケ谷に

「綾西神楽同好会」として発足し、父祖累代親しみ続けてきた郷土芸能「神楽」の魅力に

ひかれた地元若者が参集し、青年層の活動の一貫とし、「神楽」を修得しております。

結成時、神楽の経験者は誰もおらず、衣装も道具もない状態でしたが、地元住民の厚意に

よりまして衣装・道具一式を揃えていただきました。

その後、地元の高校生が加入して会員が増え、名称を「綾西神楽團」と改め、現在に至ります。

モットーは、「礼節を重んじ礼に始まり礼を学び礼に終わる」としており、

更に「神楽を楽しみ、観る人に感動を与える神楽團」を目指し活動を続けております。

葛城山において、土蜘蛛を成敗した卜部六郎季武、坂田金時は都に凱旋します。

その噂を聞きつけた九州は英彦山に住む大鬼神酒呑童子とその妹竜虎滝夜叉は、

土蜘蛛を成敗した源家の宝刀「蜘蛛切丸」を奪い、天下を我が物とするため都に現れます。

金時に宝刀「蜘蛛切丸」を預かりし、卜部六郎季武邸では、土蜘蛛成敗を祝う酒宴の最中、

頼光の使いに化けた竜虎滝夜叉は戦勝祝い酒と称し、季武・金時を酔わせ、酒呑童子

・火玉童子と共に宝刀を奪おうとします。

その異変に気づいた季武たちが立ちはだかりますが、酒に入った毒により季武は力なく敗れて

しまいます。

一命危うしとみた岩清水八幡大菩薩は、童子らを退け季武らにかけられた妖術を解き、

童子らの砦九州は英彦山へと導きます。

失態により頼光から四天王の任を解かれた卜部六郎季武は坂田金時の力を借り、

宝刀を取り返すため九州は英彦山に向かい、激闘の末、見事鬼達を倒し宝刀を取り戻すという

物語でございます。

      頼光の 打ち振る太刀は  黄金太刀 悪魔は滅び 天下治まる

この神楽は、愛媛県松山市に伝わる伝説の化け狸、隠神刑部が登場する『日本三大狸話』の一つ

『松山騒動八百八狸物語』を基に作った物語です。

隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)は久万山(くまやま)の古い岩屋に住み、松山城を守護し続けていたという

伊予松山の狸の総大将であり、八百八匹(やおはちひき)の眷属を従えていることから

「八百八狸」(やおはちり)とも呼ばれ、四国最強の神通力を持っていましたが、

松山隠岐守の代にお家騒動が起こり、隠神刑部は謀反側に利用され怪異を起こし謀反側に助力しました。

しかし松山藩方、稲生武太夫が宇佐八幡大菩薩から授かった神杖で隠神刑部を懲らしめた末、

八百八匹の眷属もろとも久万山に封じ込めました。

      久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ

お問い合わせ